先日ニュースを見ていた際、これからの日本の住宅事情を考えると、中古住宅をいかに生かしていくかが大切だという話をしていた。
日本では、中古住宅を再利用するという文化が根付いていないのがネックなのだそうだ。
確かに、家を購入すると言えば、新築の家が思い浮かぶ。
ヨーロッパでは、古く時間や歴史を積み重ねてきた街並みを、とても大切にしている。
こうした文化圏においては中古住宅が当たり前だし、 それを上手く活用する知恵なんかも発達しているのだろう。
この「人が使ってきたもの」に対する考え方や感覚の違いは、
ひょっとするとキリスト教などの宗教と、日本の神道の性質の違いにその起源を求めることが出来るかも知れない。
神道に独特の催事として、定期的な遷宮がある。
20年だか25年だかに一度という長いサイクルではあるけれど、
その遷宮によって、それまでの年数をかけて蓄積してきたエネルギーを、
良きにつけ悪しきにつけ一掃してしまう。
一度、完全にその場につながる全てのつながりを断ち切ってリセットする、という具合。
この、新しい状態であること、空っぽであることをずっと保ち続けていることが、
神道が他の宗教とは一線を画する特徴と言えるのだそうだ。
日本人は、同じ場を共有する事で受ける影響について敏感に感じ取っていたのかも知れない。