筋膜が変化して行く時の感覚は、
非常に繊細で微妙なものです。
本来は、全ての人に
体内で起きることを感じ取るセンサーがあります。
ですが、日常の中では
胃液が分泌されているなぁ、
大腸が蠕動運動を始めたなぁ、
副腎からホルモンが放出されたなぁ。
なんて、そんなことまで感じ取っていては大変です。
脳まで情報としては届いていても、
私たちの知覚には上がってこない感覚が沢山あります。
筋膜で起きる変化も、
普段の生活の中では感じ取りにくいものに入ります。
感じ取るには、ある程度の
体感覚の敏感さが必要かも知れません。
意外な様ですが、
スポーツをされている方でも変化を感じにくいこともあります。
この理由については、当院ではこんな風に考えています。
身体のポジションがどうなっているかを受動的に感じ取る意識は
筋膜の動きを捉えやすいようですが、
筋肉をどう動かして理想の姿勢にするかと言う能動的な意識は、
筋膜よりも筋肉に焦点を当たりやすくするためではないか、と。
どちらの意識の使い方に慣れているかで、
筋膜の変化を感じ取りやすいかどうかが左右される面もあるように思います。
また、筋肉の強い収縮は
感覚をブロックするものでもあります。
収縮が疲労などから来る凝りであれ
鍛えたことによる強度の増加であれ、
微細な感覚をブロックする面があるのは同じなのかも知れません。
変化を感覚として感じ取るかどうかは、
実際に身体が変化しているかどうかとは、異なるものなのです。