施術前に行う、身体の来歴や症状についての「聞き取り」
介護などの用語では、事前にクライアントさんの要望やその要望が生まれた背景を知ることを、「アセスメント」と呼びます。当院で施術の前に行う「聞き取り」の目的はこのアセスメントに近いもので、カウンセリングとは異なります。
症状や、あるいは症状とは呼べないけれど気になっている感覚、慢性的に抱えていることなど、どんな事柄であってもその背景や理由になっているものは必ずあります。
そうした背景や理由の中には、幼い頃のケガや習い事による習慣的な身体の使い方など、一般的に考えれば関係があるとは思えない様な事が関連している場合があります。
症状や今抱えている問題についてはもちろんのこと、こうした、お身体の状態に影響を与えている可能性のある過去の出来事などの、いわば「身体の歴史」についても、施術の前に把握しておくことで施術はよりスムーズに進んで行ったりします。
施術はこの「聞き取り」から始まっていると言えるくらい、重要な要素です。初回の施術時には、気になっている事を何でも良いので思い付くだけ聞かせて下さい。
関係ないだろうと思って除外している様な事柄や、こんなことを整体やヒーリングを受けるのに話しても仕方ないのでは、と思っている様な事柄でも、実は様々な形で気になっている症状とつながっていたと言うことが施術を行っていく内に明確になって来る場合もあります。
身体は、施術を受けて頂いた後も、少なくとも数日間、変化を続けて行きます。
次に来院される時には、前回の施術終了時とは身体の状態が変わっています。このため2回目以降も初回同様、施術は「聞き取り」から行っていきます。
施術後の、お身体の状態についての「ご説明」(フィードバック)
施術をしている間に、クライアントさまのお身体がどんな状態だったか、それがどんな風に作用したから症状が出たのか、身体の中で起きていた事の関係性が
次第に見えて来ます。
施術の後ゆっくりとお茶を飲んで頂きながら、それらのお身体についての情報を整理しつつお話をして行きます。
ご説明することの全ては、すぐにはピンと来ないかも知れません。ですが、身体の中でこんなことが起きていたから、それが症状として、あるいは感覚として、あんな風に表に現れていたのかと言うことが分かって来ると、身体への理解が深まり、ご自身の身体に信頼感を持てるようになります。
それぞれのクライアントさまがご自身の身体への信頼感を回復したり、あるいはそれを高める事ができること。施術を受けて頂く大きな意義がこの点にあると、当院では考えています。
施術を体験して頂くことが、クライアントさまがご自分の身体と絆を深める大切な機会となります様にという祈りと共に、お話をさせて頂きます。