施術において大切にしていること

 

 

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では、時間と料金の設定を変動制としておりますが、

こうしたシステムを取ることにした背景について、

詳しくご説明させて頂きたく思います。

 

 

一般的には、整体院と名の付くところでは、お客様に一定の時間を決めて頂き、

その範囲内で施術を行う形式のところがほとんどだと思います。

この形式の方が、お客様にとってはご自身の予算やご都合に合わせやすい為、

安心して施術を受けやすいという利点があると思います。

 

 

「お客様の利用のし易さ」は、とても大切な要素だと思います。ですが、

何を最も大切なことと考えて施術の設定を行うかは、

それぞれの整体院が担う役割によって異なって来るものでもあります。

 

 

例えば、腰や肩の痛みや足のだるさなどを、

ほぐしたりすることで手軽に楽にする、

という事を得意とする整体院でしたら、

何よりも「利用し易さ」が大切になると思います。

 

 

当院が得意な事、お客様に対して担う役割とは、

「身体が根本的に変化できるように、的確なサポートをすること」です。

身体の根本的な変化とは、身体と言う構造全体の歪みや緊張を取り除き、

全身のバランスを回復して行くことです。

施術の枠組みは、この役割を効率よく務めることを最優先に考え、

組み立てて来ました。

 

 

「身体が根本的に変化する」ために、幾つか重要な要素があります。

私たちがここまで人生を歩んでくる間に、身体には幾層もの緊張が蓄積しています。

それを根本から解除する方法は、身体しか知りません。

 

 

施術者が「ここからアプローチしよう」と思えば身体は反応してくれますが、

それは「身体自身が本当に必要としていること」であるとは限りません。

施術に際しては、施術者の予断は挟まずに、

身体がどう変化したいと望んでいるのか、

それを身体の反応から聴き取って行きます。

これを、当院では「身体の声を聴く」と表現しています。

 

 

「身体の声を聴」いて、身体自身が望む方向へと変化する事で、

私たちは本来の自分の姿を回復します。

 

 

どういう事かと言いますと、

身体は、歪みや癖などがない状態だったら、本来こんな姿をしていたはずという、

いわばイデア的な身体の「形」をちゃんと身体の中に保っており、

常にそこに立ち戻ろうとしています。

 

 

 

そこに立ち戻る方法は、その身体だけが知っています。

そして、その戻る道順を身体に語ってもらう為には、

施術者が自分の判断を押し付けたり、焦って急かしたりすることなく、

身体が身体自身のペースで、安心して自由に能動的に変化できるよう、

環境を整える事が必要になります。

 

  

 

ここで、重要になって来るのが「時間」です。

 

 

例えば、話をしている時、相手が時間を気にして上の空になっていると、

大抵の場合は、話をする側もそれに影響を受けます。

落ち着いて話を続けていられなくなり、何となく煮え切らない気持ちで

話を中断したりすると思います。

 

 

 

これは、実は身体でも同じことが起きます。

施術者が時間を気にしていると、身体はそれに合わせて急いで反応しようとします。

微妙な緊張や萎縮の状態を帯びながら、半ば焦って変化をします。

 

 

身体は、私たちが思っている以上に敏感なものです。

何年も前にクレニオ・セイクラル・セラピー(頭蓋仙骨療法)を学んだ際に

こんなことを教わりました。

「身体に触った時に、例えば右側の流れが悪いなと感じても、そう思ってはダメです。

そうこちらが思っただけで、身体はそう反応します。」と。

 

 

その時には、「へぇ~?」と思ったのですが、臨床を重ねていると、

こちらが思った様に身体が反応することが、分かる様になりました。

 

 

 

施術者が「ここが問題だからここを変えよう」と意図すれば、

それはそれで身体が変わってしまいます。それは一見良い事のようですが、

そうするとかえって、

本当に身体が抱えていた状況と、その理由は見えなくなる、

と言う事も分かって来ました。

 

 

こうした体験を踏まえて、施術者の意図や判断を挟まずに

身体に主体となってもらって、

自由に反応してもらう事を重要視するようになりました。

 

 

 

判断や意図に加えて、施術者の精神・心理状態も、施術に影響を与えます。

施術に際しては、施術のプロセスの一環として、

施術者の状態も客観的に把握するよう努めます。

 

特に施術者が焦りを持っていると、

身体は落ち着いて変化する事が出来ません。

 

 

時間を固定的にすると、どうしても

そこの中に収めようという意識が施術者に働きます。

施術者の中の焦りがクライアントさんの身体に伝わると、

身体は微妙な緊張や萎縮を感じながら焦って変化をする事になります。

 

 

 

時間を変動制としてはいても、やはり

お客様にご料金の上で出来るだけ負担にならないよう、心掛けて来ました。

ですが、この心掛けが「早くしなくては」という焦りを生みます。

そこでここ数か月、時間を気にせずに施術を行う様に、

意識を切り替えました。

 

施術時間は以前よりも長目の傾向になりましたが、

そこで起きる身体の変化はより深く速くなり、

一度の施術で生じる変化が全体として大きくなっています。

 

 

 

施術を受けて頂くのですから、

身体が変化する為に出来得る限りの最善のサポートを責任を持ってご提供したい。

その為に、全てはこの基盤に立って考え、組み立てています。

これが当院の施術の姿勢であることを、ご理解頂けましたら幸いです。

 

 

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