目次
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- 重力は、歪みである。
- 一年を短く感じるメカニズム
- 年を取る≠弱くなる
- なぜ家族は影響し合うか
- 筋膜が見せる、特異な現象
重力は、歪みである。
筋膜をターゲットとして施術をしていると、それによって生じる身体の変化は単純に物質的なものではなく、エネルギーや気といったものと深く関連している事に気付きます。
こうしたことは、臨床の中で実際の現象として体験することが多く、そこで起きている事の意味を把握するためには、物理学をはじめとしてなど様々な分野の概念を援用する必要がありそうだなと感じています。
先日(2014年12月草稿)、「美しい宇宙~統一理論への道」を観てひも理論のことを少しかじった際に、アインシュタインの重力に関する理論、すなわち、一般相対性理論が描き出す時空の織物と、その織物に生じる歪みや曲がりが重力であるとする理論は、筋膜の性質にそのまま当てはめることができそうだと気付きました。
筋膜には緊張や膠着が生じますが、それは、大きな質量の組織を小さな空間に凝縮する現象として捉えることが出来ます。緊張や膠着の周辺では組織の凝縮によって重量が増え、筋膜がよじれ、歪みます。
今までは、こうした歪みが重力の影響を受けることでより身体を歪ませていくと考えていましたが、筋膜を時空の織物と考えれば筋膜上の歪みそのものが重力ですから、歪みが更なる歪みを生む仕組みになっていると考えられます。
また、重力の伝播は光の速度と同じ速さで生じるとのことです。これは、筋膜上の歪みを解除するとそれが瞬く間に身体全体の浅層の歪みを解除することを、矛盾なく説明してくれる様に思います。
ここで一つ問題になるのは、体内では、重力を惹起すると想定される歪みは非常に多くの異なる箇所で形成されているという事です。異なる歪み同士が結びついた時には、時空の織物にはどんな現象が起きると想定されるのでしょうか。
時空の歪みは波となって周りに波及します。2つの歪みがあれば、歪み同士を結ぶ直線上でその波は最も高くなり、大きな衝撃をもって干渉し合うことになるでしょう。Wikipedia「一般相対性理論」の中には
「・重力による赤方偏移強い重力場から放出される光の波長は元の波長より引き延ばされる現象。
・時間の遅れ強い重力場中で測る時間の進み(固有時間)が、弱い重力場中で測る時間の進みより遅いこと。」
という記述があり、強い重力場(限られた空間の中に大きな質量が凝縮されている状態)では色や時間に変化が生じると説明しています。これは、筋膜上に痛みの感覚(赤いエネルギー)や過去の記憶・情報が残存する仕組みと関連している様に思われます。
1年を短く感じるメカニズム
また「時間の遅れ」に関しては、私達が年を経るごとに一年を短く感じるようになることとも相通じていそうです。
通常は歳を経ると体内の緊張は蓄積し、歪みも複層化して行きます。体内の歪みとはいわば体内空間を歪める力であり、体内に作用する重力です。「時間の遅れ」の性質から考えれば、重力が生じている周囲では、時間の流れも遅くなります。
歪力を沢山抱えていると、その体内空間では時間の流れがゆっくりになるため、相対的に外界の流れを速く感じるようになる、と考えられることが出来そうです。
年を取る≠弱くなる
また、歪みのある所では光も直進せず、回避して行きます。だとすれば、歪みの多い身体では外から受け取る光エネルギーの量が少ないと考えられます。
年を経ると元気でいるのが難しいのは、細胞の活性が衰えて生命体全体としての力を失っていくからではなく、年を経る事で歪みが蓄積されることにより、体腔内の時間がゆっくりになって代謝の速度が落ちるためと、光エネルギーが歪みを回避するために、歪みの蓄積した身体では吸収される光エネルギーの量が減少するためではないでしょうか。
なぜ家族は影響し合うか。
同じ屋根の下に住んでいると、私たちは無意識の内に家族の状態に影響を受けます。例えば、誰かの機嫌が悪かったり体調が悪かったりすると、何となく自分もそういう感じになって来たりします。
これは、家族の成員の間で、エネルギーのやり取りが無意識の内に行われている事を示しています。
そこで、もし同じ家の中に住んでいる誰かが身体の歪みを解除して行ったならば、その人の歪みから生じていた重力波から他の人達も解放されることになり、家族全体で歪みの影響が減少して行くことになるのではないでしょうか。
一方で、自分の内側に歪みを抱えていると、他者の歪みから生じた重力波に影響されやすくなります。そうした歪みを自分の内側から解除して行けば、他者から受ける影響も小さくなるわけです。
これは、自分のメンタリティーが変わればまわりの人間も変化し始める、まわりを変えるにはまず自分から、といった心理学的な話の説明もしてくれている様に思います。
筋膜がみせる、特異な現象
「重力を量子化するためのよい現象としてブラックホールが挙げられる。ブラックホールの内部では一般相対性理論が破綻をきたすと考えられており、そこでは時空を量子化した理論が有効である。
この方向による最近の発展ではホログラフィック原理が挙げられる。これはブラックホールの内部の情報量の保存限界はその体積ではなく表面積に依存するというものである。
これはひも理論のメンブレインに通じるものがある。」(参照:Wikipedia「量子重力理論」参照日2014年12月18日)
筋膜に緊張や膠着が蓄積していく際は、膜や、膜に形成された線条が、折り畳まれるかの様に凝縮して行きます。膜は襞(ひだ)となり、線条の凝縮は毛糸玉のようなしこりを形成します。
また、折り畳まれて奥の方に押し込まれたものは、まるで乾燥して鞣(なめ)されたかの様に平たくなり、質量を失います。
これらの現象が示しているのはまさしく、情報はいつも最浅層の平面に書き込まれると言う事ではないかと思います。
そして、そこで保存できなくなったものは、奥へ仕舞われて行きます。奥へと隠されたものは情報としての活性を失って休眠状態に入りますが、消滅するわけではありません。
草稿:2014年12月18日
公開:2015年8月21日