◆臓器の本質を理解する。
精神世界に関する事柄を学んでいる方でしたら、
子宮とは子供を育む臓器というだけではなく、
私たちの創造性の源泉であり、
また私たちの生命力の源そのものだという事を、
よく聞き知っている事と思います。
私は自分自身がスピリチュアルな人間だと思ったことはありませんが、
身体と向き合って施術する内には、
私達の存在とエネルギー(あるいは、気やプラーナ)が
切っても切れないものであることを実感として感じ、
その理解なくしては身体への施術は出来ない事に気付きます。
ですが、
精神世界的な、あるいはエネルギー的な視点で身体を捉える事を
理論や理屈の形で学んでも、
すぐにそれが現実の思考を変化させるわけではありません。
例えば、先ほど挙げたような
「子宮は創造性の源泉である」と言う表現については、
私は無意識の内に、このように理解していました。
子宮は、生殖器として分類される臓器です。
また、約10か月の間、胎児を栄養し育てる保育器としての機能も持っています。
子宮の持つこれらの「現実的な役割」を抽象化して言語化すると、
「育み、生み出す力」という表現になるのだろう、と。
しかしこうした理解はとても浅く狭いものであり、
この言葉はもっと子宮という存在の本質を深く表現しているものだと
理解させてくれた出来事がありました。
思考や見方が変わるには、それを覆す体験が必要なのです。
その出来事を通して、私は
「子宮は私達と言う存在を、根底から支え上げる力」だという事に気付きました。
性的な事柄から子供を遠ざけようとする家庭環境だったこともあり、
私自身、生殖器という概念と結びついた子宮は、重要なものだと思っていませんでした。
その子宮への誤解を解き、今やっと、同盟関係を結び直しつつある感じです。
今回は、この体験がどんなものだったのか、
詳しくお話してみたいと思います。
◆エネルギーヒーリング
今月の始めのこと。
施術の練習を友人としていました。
エネルギーの手で内臓を触り、
臓器の輪郭や質感、臓器の内部の様子を触知していくヒーリング手法です。
…こう書くと凄そうですが、まだまだよく分かっちゃいませんヨ^^;
今月の半ばにはこの手法の講義も控えているため、
予習も兼ねて、部位を選んでの練習でした。
まずは腎臓、膀胱。
臓器に触れていると、臓器は必要なエネルギーを自分で吸収して行きます。
もういいよ~、満腹!という合図が来た時には、
臓器はピカピカで元気になっています。
そうやって腎臓がエネルギーで満たされていく間には、
腎臓に生じていた配置のズレや捻じれに変化が起き、
それが腹膜を介して全身骨格そのものにも変化が生じて行きました。
内臓は体内に固定されているのですから、
機能面では身体に影響を与えることがあっても、
物理的な構造体の一つとして身体に影響を与えることがあるなどとは、
通常では想像しにくい事だろうと思います。
ですが、実際にこうしたことは起きています。
これは私自身が自分の身体で幾度となく経験したことでもありますので、
また別の機会に、詳しく実例を紹介しようと思います。
腎臓の後は、右の輸尿管を下って膀胱へ。
練習台になっている友人からは、
膀胱の右半分だけ流れが良くなって、左右差を感じるとの声。
輸尿管はただ表面を辿っただけだったのですが、
それでもエネルギーの流れは変化していたのだと分かります。
(と言っても、辿ったり触れたりした程度で起きる変化は、一時的なものです。
肉体にちゃんと変化が生じ、それが身体に定着するには、ある程度の時間や回数が必要です。)
泌尿器の後はリンパ系。
体表でリンパに触れやすい部位に、左右対称に手を置きます。
ごくごく表層に接触すると、しばらくして
反応は網状を呈して全身へと広がって行きます。
時には、身体の奥の方へと反応の流れが潜って行きます。
その影響で手が中へ引き込まれる感じがすると、
体表に触れている手にはうっすらと、力が入ります。
するとすぐに、「もう少し手が軽い方が」と声が掛かります。
微妙な力の変化を重たく感じるのですから、
リンパはきっと、とても微細かつ敏感な流れなのでしょう。
身体の中でリンパが大きな流れに合流した感触が生じて、
リンパ系全体がぼわんと大きくなったように感じられます。
もうお腹イッパイヨ、の合図の様です。
◆エネルギーヒーリングでの子宮の変化
泌尿器系にリンパだなんて、解毒三昧だね~!と笑いながら、
最後は、子宮です。
これで、解毒系に併せて骨盤内臓を網羅です。
輸尿管の時と同じく、卵管を片方だけ通ると左右の感覚に差異が出るので、
一旦、左右両方の卵巣から卵管をたどり、
子宮へアプローチしました。
左右対称になっている臓器では、
右の卵管の方が分かりにくいとか、
左側は少し前に移動している様だとか、
微妙に位置にズレや歪みがあることに容易に気付きます。
子宮へアプローチを始めると、
静かにゆっくりしたリズムで、変化が始まりました。
友人との交換練習ですから、
練習台も施術者側も、両方を経験します。
お互いに、体内感覚をシェアしながら練習を進めます。
その中には、共通した体感がありました。
先ほども少し挙げましたが、
ふにゃりとしていた子宮が起き上がったり、
大きくなったりする感覚。
左右のどちらかに傾いたり撚れていた子宮体の配置が戻る感覚。
と、ここまでは想定内です。
ここから先は、ちょっと凄いものがあります。
子宮の筋肉層に自発的な収縮が生じ、
子宮が上へ伸びながら立ち上がる感覚。
子宮の強い収縮に伴って、
子宮に向かって吸引されていく様に骨盤底が中央から持ち上がり、
さらにその力が内転筋から足の親指の先まで上へ引っ張り上げる感覚。
内臓が身体の構造に影響を与えている、と先ほど述べましたが、
ここでもまた、同じことが生じました。
子宮の収縮力は、足のつま先まで引き上げる程の力を持ちます。
いえ、それだけではない様です。
子宮へのヒーリング練習が終了した後のお互いの様子の変化は、
目を見張るものがありました。
立ち上がると、骨盤がきゅっと締って足の付け根が楽に閉じているので、
骨盤で支えれられて立っている感覚でとても楽に感じます。
また、面相も変化しています。
下顎のまわりがスッキリとして、顔の輪郭が若返った様です。
目に輝きがあります。
腹部では熱を生じ、力んでいないのに力があるのを感じます。
ドッシリとして、安定しています。
自分の大きさや安定感を自覚できるので、
弓でも矢でも何が来てもビクともしない、という気分です。
子宮の持つ物理的な力強さは、
私達に肚の据わった感覚と気持ちの余裕を生み、
またその上に向かう力のベクトルは、
重量のある足を胴体の方へと引き寄せながら、
なおかつ骨盤の底にあって全ての内臓を上に向かって支え上げているのです。
つまり、私達と言う存在を
その根底から支えている力の源なのだと、
この時、実感を持って理解しました。
腹部が温かく充実している感覚は、
その日一日続きました。
しかし大きな変化は、そこで安定して終わりではありません。
翌日には、更なる変化の兆しが現れました。
(次の変化が現れるのは、人によってタイミングが違います。私の場合は、自分自身のメンテナンスを暇さえあればしていることもあり、変化の統合と、更なる変化の出現のサイクルが、早いようです。)
子宮は、骨盤底にあった歪みに巻き込まれていた様です。
子宮が安定したことでその歪みが表面化したのか、
はっきりした感覚となって意識に上って来ました。
交換練習の後にはきゅっと締まった骨盤と股関節で歩きやすかったのが、
今は左の骨盤底が広く、左の足は身体から離れている様に感じます。
一歩ごとに、違和感と不調和があります。
筋膜的なアプローチで原因を調べてみると、
やはり卵巣と子宮の辺りからの影響のようです。
◆エネルギーヒーリングと筋膜のアプローチの違い
エネルギーヒーリングと筋膜のアプローチの違いを
私が理解している範囲で簡単に説明してみます。
エネルギーヒーリングでは、
エネルギーの不足している部位に手を当てると、
身体はエネルギーを勝手に吸収し、
必要としている所に受け渡してくれる、という考え方をします。
身体は十分なエネルギーさえあれば自ら修復・治癒する力を持つので、
ヒーラーは足りない所に過不足のないエネルギーを受け渡す事が役割になります。
エネルギーには周波数がある為、接触する箇所に合わせた周波数を用いる事で、
その部位により効率よく速やかにエネルギーの供給を行い、
またその後の統合を無理のない形で促すことが出来ます。
筋膜的アプローチでは、
身体は自分に蓄積し、症状や歪みを作り出している情報の全てを把握していますが、
それが毛糸玉のように重なり合っている為に自力で解くことができない、
と理解しています。
もつれた毛糸玉を解いていく糸口は
身体がサインとして体表に示してくれます。
それをつぶさな観察と検査によって見つけ出し、
細かく糸の所在に触れることで、身体に自覚してもらいます。
糸を解いていくのは身体が自分自身の力で行うのですが、
それに伴って構造の自由さや柔軟性が回復されて行きます。
こうして説明するとかなり異なる様に見えますが、
どちらも身体そのものや臓器・器官の
自然で理想的な状態を回復するサポートと言う意味では同じです。
◆筋膜的アプローチによる子宮の変化
アプローチをしたのは子宮の左上、
左の卵管口がある辺りでした。
アプローチの箇所は、通常は移動して行くことが多いのですが、
この時はこの一ヶ所から長い事動くことなく、
ず~っと反応が起きていました。
ちなみに、この時は何となく卵管が見つからないというか、
ドンピシャでアクセスできている感じがしなかったのですが、
よくよく調べてみたら、
子宮から卵管は後ろの方へと伸びており、
卵巣は骨盤の背面の方、腸骨動脈が内外の二股に分かれた
その分岐部に頭を突っ込む形で固定されている事が分かりました。
固定装置は筋性の靭帯で、卵管提索、または骨盤漏斗靭帯と言います。
更に重要な事は、
この分基部は仙腸関節の内側面に当たる位置にある、と言う事です。
卵巣に配置のズレや歪みがあれば、
それは直接的に腰部や骨盤全体の安全性に影響を及ぼすことが理解できます。
また、子宮の方は、
間に直腸を挟む形で、こちらも靭帯で仙骨に固定されています。
子宮は仙骨に固定されている一方で、
実は仙骨の骨格としての安定性を、子宮の力が裏打ちしています。
これは、施術に伴うクライアントさんの身体の変化から気づいた事ですので、
こんな事を言っている人は他にいないかも知れません。
施術では、はじめにクライアントさんの背面の状態をチェックします。
その際に仙骨にも触れるのですが、
施術の中で子宮へのアプローチが必要だったクライアントさん達の場合は、
仙骨が中に空気を含んでいる様な、それでいて表面が固い、
独特な不安定さを共通して持っていました。
力なくふにゃりとした感触だった子宮も、
施術を経て筋力が回復すると、自力でぐいっと立ち上がります。
あるいはそこまで変化せずとも、全体的にふっくらして大きさが増します。
(この感触が、物質的な子宮の大きさの変化によるのか、子宮の帯びるエネルギーの大きさの変化によるのかは分かりませんが。)
その変化の後で仙骨を触ると、
中身がしっかり詰まった安定感と、
最初よりも少し平らでスッキリした手触りに変わっています。
こうした変化を感じて、
産後のお母さんの子宮はケアする必要があるね、
という話が出ました。
出産後にエネルギーを使い果たしたままでは、
…と言っても、これも場合によって違うようです。