時空の織物としての筋膜

 

▼重力は、歪みである。

 

筋膜に対する施術をしていると、

身体の変化の仕方が

単純に物質的なものではなく、

エネルギーや気といったものと

深く関連している事に気付きます。

 

そうしたことは、臨床の中で

現象として頻繁に体験する為、

そこで起きている事の意味を把握するために

物理学の概念を援用して考える必要があると、

ずっと感じながらいます。

 

先日(この記事は、2014年12月草稿)、

「美しい宇宙~統一理論への道」を観て

ひも理論の勉強をした際に、

 

アインシュタインの重力に関する理論、

すなわち、一般相対性理論が描き出す

時空の織物と、その織物に生じる

歪みや曲がりが重力であるとする理論は、

筋膜の性質にそのまま

当てはまる事に気付きました。

 

筋膜には緊張や膠着が生じますが、

それは、大きな質量の組織を

小さな空間に凝縮する現象として

捉えることが出来ます。

 

緊張や膠着の周辺では

組織の凝縮によって重量が増え、

筋膜がよじれ、歪みます。

 

今までは、こうした歪みが

重力の影響を受けることで

より身体を歪ませていく

と考えていましたが、

 

筋膜を時空の織物と考えれば、

筋膜上の歪みそのものが重力ですから、

歪みが更なる歪みを生む仕組みになっている

と考えられます。

 

また、重力の伝播は

光の速度と同じ速さで生じるとのことです。

 

これは、筋膜上の歪みを解除すると

それが瞬く間に

身体全体の浅層の歪みを解除することを、

矛盾なく説明してくれる様に思います。

 

 

 

ここで一つ問題に思うのは、

体内では、重力を惹起する歪みは

非常に多くの異なる箇所で

形成されているという事です。

 

異なる歪み同士が結びついた時には、

時空の織物にはどんな現象が起きると

想定されるのでしょうか。

 

時空の歪みは波となって

周りに波及します。

 

2つの歪みがあれば、

歪み同士を結ぶ直線上で

その波は最も高くなり、

大きな衝撃をもって

干渉し合うことになるでしょう。

 

 

Wikipedia「一般相対性理論」の中には

・重力による赤方偏移

強い重力場から放出される光の波長は

元の波長より引き延ばされる現象。

 

・時間の遅れ

強い重力場中で測る時間の進み(固有時間)が、

弱い重力場中で測る時間の進みより遅いこと。」

 

という記述があり、

強い重力場(限られた空間の中に

大きな質量が凝縮されている状態)では

色や時間に変化が生じると説明しています。

 

これは、筋膜上に

痛みの感覚(赤いエネルギー)や

過去の記憶・情報が残存する仕組みと

関連している様に思われます。

 

 

 

▼一年を短く感じるメカニズム

 

また「時間の遅れ」に関しては、

私達が年を経るごとに

一年を短く感じるようになることとも

相通じていそうです。

 

通常は歳を経ると、

体内の緊張は蓄積し、

歪みも複層化して行きます。

 

体内の歪みとは

いわば体内空間を歪める力であり、

体内に作用する重力です。

 

「時間の遅れ」の性質から考えれば、

重力が生じている周囲では、

時間の流れも遅くなります。

 

歪力を沢山抱えていると、

その体内空間では

時間の流れがゆっくりになるため、

 

相対的に外界の流れを

速く感じるようになる、と考えられます。

 

 

 

▼年を取る≠弱くなる

 

また、歪みのある所では、

光も直進せず、回避して行きます。

だとすれば、歪みの多い身体では

外から受け取る光エネルギーの量が

少ないと考えられます。

 

年を経ると元気でいるのが難しいのは、

細胞の活性が衰えて

生命体全体としての力を

失っていくからではなく、

 

年を経る事で

歪みが蓄積されることにより、

体腔内の時間がゆっくりになって

代謝の速度が落ちるためと、

 

光エネルギーが歪みを回避するために、

歪みの蓄積した身体では

吸収される光エネルギーの量が

減少するためではないでしょうか。

 

ちなみに人間の体感覚は、

体内における重力=時空の歪みを

適切に捉えられる感覚として

発達して来ているのかも知れない、

と思います。

 

 

 

▼なぜ家族は影響し合うか。

 

同じ屋根の下に住んでいると、

私たちは無意識の内に

家族の状態に影響を受けます。

 

例えば、誰かの機嫌が悪かったり

体調が悪かったりすると、

何となく自分もそういう感じに

なって来たりします。

 

これは、家族の成員の間で

エネルギーのやり取りが

無意識の内に行われている事を示しています。

 

 

そこで、もし

同じ家の中に住んでいる誰かが

身体の歪みを解除して行ったならば、

 

その人の歪みから生じていた重力波から

他の人達も解放されることになり、

家族全体で歪みの影響が

減少して行くことになります。

 

一方で、

自分の内側に

曲率(ゆがみ)を抱えていると、

他者の歪みから生じた重力波に

影響されやすくなります。

 

そうした歪みを

自分の内側から解除して行けば、

他者から受ける影響も小さくなるわけです。

 

これはまるで、

自分のメンタリティーが変われば

まわりの人間も変化し始める、

まわりを変えるにはまず自分から、

という言葉の説明にも

なっている様に思います。

 

 

 

▼筋膜がみせる、特異な現象

 

「重力を量子化するためのよい現象として

ブラックホールが挙げられる。

 

ブラックホールの内部では

一般相対性理論が

破綻をきたすと考えられており、

そこでは時空を

量子化した理論が有効である。

 

この方向による最近の発展では

ホログラフィック原理が挙げられる。

 

これはブラックホールの内部の

情報量の保存限界はその体積ではなく

表面積に依存するというものである。

 

これはひも理論の

メンブレインに通じるものがある。」

(参照:Wikipedia「量子重力理論」参照日2014年12月18日)

 

筋膜に緊張や膠着の

蓄積が形成される際には、

 

膜や膜に形成された線条が

折り畳まれるかの様に凝縮して行き、

 

膜は襞(ひだ)となり、

線条の凝縮は毛糸玉のような

しこりを形成します。

 

また、折り畳まれて

奥の方に押し込まれたものは、

まるで乾燥して鞣(なめ)されたかの様に

平たくなり、質量を失います。

 

これらの現象が示しているのは

まさしく、情報はいつも

最浅層の平面に書き込まれる

と言う事です。

 

そこからはみ出した分は

奥へ仕舞われて行き、

情報としての活性を失って

休眠状態に入るのです。

 

 

 

▼おまけ

 

重力波はまだ

直接的には検出されていないのですが、

重力波が持っていると予測される性質に、

 

「重力波によってある軸が伸びた場合、

そこに直角に交わる軸は短くなる。」

という性質があるそうです。

(参照:サイエンスZERO「重力波をとらえよ(2014年11月17日放送)」重力波望遠鏡KAGRAの説明)

 

筋膜には、面としての広がりと、

中に折り畳まれてしまわれている

身体の時間の経過を伴う記憶としての

奥行きがあります。

 

この広がりと奥行きの概念は

ヌーソロジーから学んだものですが、

重力波の性質との近似が、

何か新しい気づきを与えてくれそうな

気がします。

 

 

 

草稿:2014年12月18日

公開:2015年8月21日