筋膜には私たちの言わば人生の「地図」が描かれていることを、
他のページでご説明しました。(「筋膜とは」をご参照下さい。)
学生の時に捻挫した足首、
ドアに挟んでものすごく痛かった指、
小さい時に高いところから落ちて打った背中。
とっくの昔に治ったと思っているケガなども、その多くは
筋膜に痕跡を残したままになっています。
「緊張」という形で。
緊張が蓄積すると、
私たちの身体は形を変え、動きにくさを感じ始めます。
その一方で、これらの緊張には、
今以上に身体のバランスが狂ってしまうことを
防いでいるという一面もあるようです。
不均衡さを抱え始めた身体には、
均衡を保つために支柱が必要な様なのです。
施術の目的は、支柱のいらない身体に戻ることです。
その過程では、支柱を一つずつ、丁寧に外して行くことになります。
今現在の身体を支えている柱を取り外すのですから、
身体にとってはかなりのエネルギーを消耗します。
また、一時的にバランスが悪くなったように感じたりすることもあります。
そんな時には、こうした反応が出るかも知れません。
強いだるさが出て来た。
右と左で身体の感覚が違う気がする。
あるいは、緊張はお互いに結びつきあっているので、
支柱を一つ外したことで、
さらに奥に隠れていた緊張が出て来ることもあります。
そんな時には、
めまいの様な、目の焦点が合わない様な感じがする。
ふらふらする。
違う所に痛みが出て来た。
と言ったような反応が起きる可能性も考えられます。
これらは、身体が変化していく過程で出てくるため、
好転反応の一つと受け止めることが出来るでしょう。