身体を感じるって、どうすれば出来るの?

Yさんは、とても勉強家。
施術の際には、
実にいろんな種類の
質問が飛んできます。

自分の身体がどうなっているか、
身体の状態を維持するためには
何をしたら良いか、

今自分がどんな取り組みをしているか、
その取り組みは
的を得ているかどうか。

事前のカウンセリングでも質問攻め、
施術後のお茶の時間も質問攻め。
わぉ~[#IMAGE|S26#]

普段から沢山の事を考えていなければ、
質問は出て来ないものですよね。
Yさんの意識の高さは、
とても素晴らしいものです。

でもね、せっかく
身体に取り組む時間なのに、
自分の身体と対話しないなんて、
本当はとっても勿体ない。

これは施術者としての、
私の勝手な願いではあるのだけれど。

施術後、身体の感覚を
感じてもらいたくて、
「今日は身体の説明は控えますね。」
「わかりました。質問も抑えます!」

って言ってるソバから、今度は
適切な食事の仕方とか、
セッションルームに活けてある
お花の話とか。

あれ~…
全然、身体に意識が
行ってないみたい~[#IMAGE|S9#]

さすがにシビレを切らして、
「Yさん、質問すごすぎ!(笑)」
と言うと、

「身体の質問
しないようにって思って、
別のこと考えちゃって。」

う~ん、なるほど。
何にしても考えちゃうのかぁ。

「少しね、身体の感覚を
感じてみましょうか。」

「私、感じられないんですよ~。
どうしたら感じられるんだろうって
分からなくて。」

身体は、入ってくる刺激を、
本当は全部ちゃんと
受け止めてるんです。

でも、日常で
必要のない種類の情報は、
脳みそで意識化しないように
選択しています。

そうすることで、
余計な刺激や情報に惑わされて、
エネルギーを消耗するのを防ぎます。
大切な、情報選択のシステムです。

ですが、これは
身体の微細な感覚を
感じないようにさせて
しまうものでもあります。

本当は感じているのだけど、
感じていることに気づかない。

感じていることを把握する
回路を、繋ぎ直すことが必要です。

感じない、と頑なに
思い続けている限り、
感覚を開くのは難しいものです。

まずは、感じないという
先入観を外す必要があるのですが、

はて、どうしたものか・・・。[#IMAGE|S39#]

ふと、ひらめきました。
「Yさん、施術を受けて、
今どんな感じがしていますか?」

「う~ん、感じようと
思ったわけじゃないけど、
(気になっていた)肩はまだ痛いなと」

ふむ、想定内。
「そうでしたよね、
感じるのは難しかったのですよね。
では、今
どんな気持ちがしていますか?」

「・・・あ~、
軽い感じがします。」

[#IMAGE|S23#]うふふ、
軽い「感じ」なんだ~。

「言い訳じゃないけど、
軽い感じがしてるから
いっぱい喋るのかも!

普段
気分の悪いときなんかは、
喋ろうと思っても喋れなくなるし。
楽だから、(今は)
いっぱい喋るんだと思う!」

ふふふ、なるほど~[#IMAGE|S37#]自己分析だって、
ちゃんと出来てる。

読んでいて、
気づかれたでしょうか?
そうです、Yさんは
ちゃんと感じてるんです。

そして、「感じはどう?」
と聞かれると、
「わからない」けれど、

「気持ちは?」と聞かれると、
感じてることをちゃんと
答えられるんです。

実はこれ、Yさんの
特殊性ではない様です。

今日いらしたNさん。
同じように
「どんな気持ちですか?」
とお聞きしました。すると、

「スッキリしています。
途中は色んなところに
痛みが出てきたけど、
今はそれが消えて、スッキリ。」
「軽い感じ?」
「そう、軽い感じ。」

Tさんにも。
「どんな気持ちですか?」
「ゆったりしています。
胸の辺りが
広がったような・・・」

施術者や
カウンセラーなどの臨床家は、
普段から感覚と感情を
異なるものとして
はっきり区別していますが、
一般的にはそうではないんですね。

YさんもNさんも
Tさんも、
感覚と感情を区別していません。

むしろ、
感情を指す「気持ち」
という単語に対して、
実際は感覚にあたるものを
共通して答えています。

Yさんの問題は、
感覚が感じられないこと
ではなかったことが分かります。

さて、
Yさんにはもう少し深いレベルで
感覚を感じてもらうために、
さらに質問を重ねてみました。

「軽く感じるということですが、
どこで、一番軽いなぁって
感じを受けますか?
その感じはどこで
起きていますか?」」

「[#IMAGE|S39#]…足が軽いです。」

「では、足を実際に
触ってみてください。
何か(いつもと)違いは
感じられますか?」

「ジーパンの上からだけど・・・
今までのブヨブヨした感じが
ないです。
ブヨブヨしたむくみが
あったけど、それがないです。」

「では、その
ブヨブヨしたむくみが
なくなっていることと、
気持ちが軽く感じられる
こととは、
繋がっていそうですか?」

しばらく考えた後に、
「はい!繋がっていると
思います!」と。

Yさんは、施術の間
ず~っと眠っていたので、
身体がどう変化したか
知りませんでした。

この時の施術では、
最も大きく変化したのが
足のむくみでした。

固く、特徴的な
弾力性を伴うむくみ。
ずっと、Yさんが
気にしていた症状です。

こうして、
実際に起きた身体の変化と
内的な体験とが合致する、
ということを
体感してもらいました。

最後にYさんには、
こんな風に説明しました。

感覚を感じるのが難しいなら、
気持ちでも良いんです。

気持ちを感じ取れたなら、
それが身体のどこで
起きているか、探します。

そうやって、
感じたことを、身体の情報に
落とし込んで行くのです。

「どこで」が見つかったなら、
「そこ」で現実的には
どんな変化が起きているか、
確かめてみます。

そうやって、内側で
感じ取った気持ちや感覚を、
現実の身体に起きている現象と
擦り合わせる。

これを地道に丁寧に
繰り返して行くことが、

身体との対話を
可能にするんですヨ[#IMAGE|S43#]と。

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