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体の自由さを取り戻す=理想のセルフイメージに近づく(自己実現)こと。

施術を重ねていって変わるのは、体の形だけではない。
形が変わるというのは、構造が変化するということ。
当然、構造への依存傾向の強い「機能」
(血管の管が太くまっすぐな方が、血流だって気持ちよく流れたり ・・・)の良し悪しも、変化する。
でも、最も重要なのは、
施術によって筋膜の固着や癖が修正され、ブロックのない自然な体の状態に戻っていくことが、
実は本来のセルフイメージに近づいていくことを可能にする点だ。
これは、最近になって私自身新たに気づいたことだ。
(なぜ体を整え、楽になることが重要なのか、その意義と意味を考えている過程で気づいた。)
つい先ごろ6月の頭の頃、
大学生の頃にちょっと厄介に思っていた腰の不調の原因に、セルフメンテナンスの段階が差し掛かっていた。
腰は確かに痛みが起きやすいところで、施術時の中腰姿勢は療術学院に通っていたころから結構キツイと思っていた。特に、アロマの施術はキツかった。
が、みんなそうなのだろうと勝手に思っていたため、それは大して問題とも思っていなかった。
ところが、自分で腰に関わるクセ付けのプロセス*を追いかけ始めると、
それが思っていた以上にガンジガラメで、複雑で重層的な走行を示した。
下腹がぽこんと出やすかったことやトイレが近かったこと(これは、恥骨上の筋肉の緊張が直接の原因だった)などの、様々な状態を引き起こしながら、
なお頑として腰椎だけは固めた状態を死守してきたことが分かった。
表からは分からなかったが、フタをあけてみたら、じつは結構深刻な状態だったのだ。
それがやっと終了したと思ったら、今度は右肩だ。
右肩はこれまたなかなか改善しなかった右胸郭の下方変移と、
右前頸(頭痛やたちくらみを頻発させていた直接の原因であった。)特に甲状腺周囲の脈管とおぼしき細かい緊張とを伴っていた。これは、本日6月15日になってやっとひと段落したが、これとて実は幼少時に背中を2回強打して生じた背中・胸郭の変調の一環に過ぎない。
こうして長い道のりを通りながらも、体は確実に、
そのクセを現在に至るまで体の中にひた隠しにし連綿と貯留させ続けてきた、
言わば拘束具を解除され、偏りやこだわりのない自由な状態を回復しつつある。
この自由を回復する過程が、果たして人生の中で完遂するのかどうかという問いはさておき、
この自由な状態というのは、何なのだろうか。
痛みを感じず、どのような動きの中でも体を軽く感じられる。この感覚そのものが自由とも言える。
しかし、非常に大きく変わったことは、鏡の中に見る自分の姿に満足を感じることであろう。
もっと具体的に正確に言うなら、自分の見た目に違和感を感じないのだ。
たとえば、もっと太ももは細い方が良いのにとか、私のアゴはなぜ長めなんだろうとか。
これを察するに、私達の中には、あらかじめ自分に対する青写真が事細かくあるのだと思う。
社会生活に適応していく中でどれだけ容姿が変化しようとも、
本来持って生まれた青写真はそのまま維持され続けるのだろう。
自分らしさや自分の生まれた意義、それはこうした青写真に刻まれている。
形が本来の青写真=計画とは異なったものとして現れ始めた時、自分を嫌いになったり自分の姿の中に違和感を感じるという方法によって、私達は本来あるべき方向からズレていることを教えられているのではないだろうか。

身体のバランスが整うと、エネルギーも整う。

先日、友人にバランス調整の施術をした時のこと。
特に局部的に辛い箇所(=主訴)はなく、全体的に疲れているということ。背面を軽くほぐしながら筋肉や血流の状態を確認したところ、筋肉の緊張感が足りない様子。妙に筋肉が柔らか過ぎる感じです。
筋肉は、体が休んでいるときでも微妙に緊張を維持しています。弛緩時における自然な筋緊張です。これを専門用語で筋トーヌスと呼びます。筋肉量が増えると就寝中の基礎代謝量がアップし、痩せやすくなると言われるのも、この筋トーヌスのお陰と言えるでしょう。
友人の場合、筋の緊張感不足の原因は頭部の方にあるようでした。(バランス調整=筋・筋膜療法では、体の表面に現れている微細な現象を読み解き、機能&構造両面におけるバランスの乱れの原因を探ります。)
 顎関節周囲のバランスを整えようと頭部に触れたとき、わ~っと急激な熱感に煽られました。女子高生が興奮してわ~きゃ~言っている時の感覚に似ていたので、久しぶりに会った友人(仮にも男性)なので、柄にもなくワタシは緊張しているのか?とも思いました。いやいや、でもよ~く考えてみると、最初に背中や足首に触れたときは何ともなかった・・・。

少しの間冷静に観察してみて、この感覚は自分ではなく相手の頭から出ているのが分かりました。気を抜くと、こちらもふわ~っと持って行かれて浮かび上がりそうになるのを、地面に引き下ろすつもりで調整を続けました。(ちなみにこういう時に役立つのは、センタリンググラウンディングです。自分の正中軸を通し、地面に根を張るようにどっしりと重心を下げると、どんな状況でも自分を保ち易くなります。)
顎や頭部が整うのにしたがって煽られる感覚はなくなり、最終的には全体的に落ち着いた感じになりました。本人も、「エネルギーと身体が一致してきた感じがする。」ということでした。(感覚の鋭い方でした。)
はい、彼のこの言葉は、この現象の本質を突いていたと思います。煽られる感覚をより細かく表現すると、頭部が混乱してとっちらかっている感じにも思えました。(女子高生の興奮状態に近いとも思ったくらいですから^^;) 本人に確かめると、ここの所やることが多くて忙しく、思考がまとまっていない感じだったとのこと。やはりエネルギーの状態と本人の置かれている状態は、同じなんだなぁと納得しました。
 私たちの肉体はエネルギーに包まれていますが、同時にエネルギーの器でもあるのでしょう。今までの臨床経験から、器のバランスが整っているとエネルギーの納まりが良く、エネルギーが循環しやすい様です。これは、興味深いことだと思います。肉体から外れている方がエネルギーにとっては自由な状態であるように思えるのに、実はこれはエネルギーが自由に生産的な活動を出来る状態ではない・・・、ことになるワケですから。
身体とエネルギーが一致していると、エネルギーの循環が良い。これは肉体レベルでの活動だけの話ではなく、心や意識のレベルについても循環が良くなりそうですよね。ひょっとすると、身体はエネルギーを効率的に回転させる、エンジンの役割も持っていたりして ←またまた、これは思い付きですケド^^

施術の基礎知識

neMu no ki で行っている「バランス調整」は、一般的な整体とはかなり異なります。
施術の際に、クライアントさんに出来る限り理解して頂けるようにと思いながら説明するのですが、
口では説明しきれない複雑さがあります。
この場を借りて、すこしづつ施術に関連する知識や情報についてお伝えしていきたいと思っています。乞うご期待!
 
 
 その①   身体は、いつだって調和へ向かっている。

がんは、細胞の方向転換・・・?

施術をしていると、身体の仕組みについて思いがけない理解が頭に浮かぶことがあります。 
その気付き (というか、思い付き?) はなかなか面白い内容のことが多いので、出来るだけ皆さんに紹介していけたらと思います。でも、あくまで私の個人的な直感なので、「こんな発想もあるのか~」と参考程度に読んでくださいね。

女性の乳房(ニュウボウと読ミマス)は、筋肉の上に脂肪層が乗っています。胸の筋肉の緊張が強い(胸の筋肉は、腕や肩を使う際に一緒に働きます。)と、どうやらその上に乗っている脂肪も固まってしまうようで、結構ニュウボウにシコリがある方、多い様に思います。
で、このシコリの出来やすい位置というのがニュウボウの外側・上方の辺りで、実は乳がんの好発部位(発症しやすい部分のこと)とも重なっています。

そこでふと思ったこと。がんって最初の起こりは実は単純で、筋肉や膜、血管なんかを含めた組織の緊張から始まるのではないか、と。
ちなみに内臓であっても、身体=外側の構造物のバランスによって押されたり歪められたりすることで緊張が生じます。例えば、虫垂炎の手術の際にお医者さんはマックバーニー点と言う所を目安にして開腹するそうですが、その部位にちゃんと虫垂が納まっていることはほとんどないそうです。
お腹の中は多くの臓器がきっちりおさまって押し合いへし合いしているワケですから、そこに外部から局部的に力が加わったりすればやはり内臓にも緊張が生じるわけです。
筋肉や膜、血管、内臓などの構造物を構成する組織の緊張が長期化すると、その近辺の血流は低下して細胞の栄養状態が悪くなります。微弱でも血流があれば、細胞は死ぬことはないのでしょう。でも、栄養(酸素も含みます。)が足りないので苦しい。細胞の苦しさが極限に至ったときに、どんな反応が起こるでしょうか?
細胞も、人と同じ生き物。施術をしていると、つくづく反応の仕方が似ているなぁと感じることがあります。
で、さっきの質問の答え。人間と同じような反応をするなら、栄養をもらえないなら力づくで奪う!という貪欲さが細胞に出てくる、私はそんなふうに思います。
細胞・組織は本来、本体である人間の生に寄与すべく活動してくれています。それによって、私たちは一人の人間としてのまとまりを維持できている訳です。その細胞たちが極限の状態に置かれたことで、一転して自分たちの生存のために本体から栄養を奪取し始める。(その証左と言うわけではありませんが、がん細胞は血管を自分の中に引き込むのだそうです。)
これは、細胞にとっては生きる方向性の転換になります。何のために生きているのか、そのベクトルが180度変わるわけです。そしてそれが、細胞のガン化の第一歩なのではないかと思うのです。
ちなみに、がんの原因と考えられている遺伝子や個性(ストレスに対するその人の受け止め方、反応の仕方)は、この脈絡にのっとって考えるなら、それ自体が原因と言うよりは細胞の方向転換のしやすさに影響を与えるのではないかと思います。
それにしてもこれって、今の政治の世界と似ているかも。
現在放映している大河ドラマを観ていると、坂本龍馬なんかは本当に国のために、国の方だけを向いて生きていた人なんだなぁと思います。それが、今の政治家は自分の立場や政党の権勢の心配ばかりをしているようで。・・・がん細胞化しちゃってる感じですよね。国がまとまらないワケだ^^;