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「形態」と「性質」~ドクダミの個性 /6月の営業予定

 

みなさん、お元気にされていますか~?

DSC_0002_27

5月で真夏日があったかと思えば、

6月に入ってからは一転、

朝晩が肌寒く感じる様な天候が

続いていますね~。

 

ピカピカに笑うお日様の

顔を見ることもなく、

いつのまにか本格的に

梅雨入りしてしまったそうでして、

ちょっと寂しいなぁ( ;∀;)

 

6月に入ってすでに1週間。

営業予定をお知らせするのが

またしても

遅くなってしまいましたが、

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その前に、少し

この時期の植物のお話を。

 

 

 

「光」を体現する植物

 

梅雨の季節と言えば、

何と言っても

紫陽花にカタツムリ。

 

一昨年のこの時期は、

紫陽花の「色」について

ちいさなお話を書きました。

https://inemurino-ki.com/2014/07/28/colour-hydrangea/

 

紫陽花の花の色は、実は

モザイク状に様々な色が

点々と混ざり合うことで

構成されているそうなんです。

玉あじさいー3-1

 

これってちょうど、

スーラを代表とする

新印象派が描いた様な

点描画の仕組みと

同じなんですよね。

 

Georges_Seurat_-_Un_dimanche_après-midi_à_l'Île_de_la_Grande_Jatte-PublicDomain

ジョルジュ・スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』 (図引用:Wikimedia Commons “File:A Sunday on La Grande Jatte, Georges Seurat, 1884.jpg” / パブリックドメイン)

 

物体そのものではなく、

そこに降り注ぐ「光」を描き、

それによって

光が物体に与える躍動性を

描き出す事を可能にした

点描の手法が、

 

実はすでに自然界の中に

紫陽花という形を取って

実体化していたなんて。

 

自然が凄いというべきか、

画家たちが天才だと言うべきか。

 

ちなみに、新印象派の

点描の理論的土台となっていたのは

ゲーテの色彩論だったそうです。

(参照:Wikipedia『新印象派』

 

現象を詳細に観察する事で、

恐らくは直観的に

自然界の仕組みを

深く理解していたゲーテは、

だからこそ天才なのでしょうねぇ。

 

それにしても、

お日様の力が不安定になる

この梅雨の時期に、

 

光の仕組みを体現する

紫陽花が盛りを迎えるというのも、

 

何だか深淵なる意味が

あるような気がします。

 

 

 

「形態」から知る、植物の個性

 

でもって、

今年の梅雨は何を書こう?

 

そんなことをぼんやりと

考えながらいたら、ふっと

ドクダミが浮かびました。

 

どこにでも生えていて、

気付くと増えている、

アレであります(^▽^;)

 

紫陽花だけでなく、

ドクダミにとっても

今は盛りの時期。

 

匂いが独特だからなのか、

地味な姿だからなのか、

どうも大事に扱ってもらえない

日陰の存在ですが。

 

ドクダミ的には

半日陰の環境が好みの様なので、

実は日陰の存在で

願ったり叶ったり…

だったりして。

 

 

でも、個人的には

結構好きなんですよね、

ドクダミ。

ドクダミ―1

 

引っこ抜いても引っこ抜いても、

ちぎれた部分からでも

蘇生して行くという

ゾンビ顔負けの逞しい生命力や、

(褒めてますとも。)

 

地下茎でどこまでも伸びて

思い掛けぬところから顔を出す、

その根回し力と神出鬼没さ。

(くどいですが、褒めてますヨ。(^▽^;))

 

力まずに着々と

自分の足場を固めて行く辺りは、

生き方として大いに

見習うべきものがあります。

 

 

通常のドクダミは、

花弁に見える

4枚の白い総苞そうほうと、

中央に黄色い芯を

持ちます。

 

中には、総苞部分が

幾層にも重なった形の、

いわゆる八重咲きのものもあって、

 

こちらは

ドクダミと言うのは

もったいない程、

可憐な姿なんですよ~!

八重咲きドクダミ-2 (2)

 

総苞は苞葉とも呼ばれ、

元々はつぼみを包んでいた葉です。

 

正真正銘の「花」は、

実は中央の黄色い芯の部分。

花穂かすいと言って、

小さな花が寄り集まっています。

 

サトイモ科の

ミズバショウや

ザゼンソウなんかも

似たような構造をしています。

 

ひょっとして

サトイモ科と近いの?

 

調べてみたら、

全然違ってました~(;^ω^)

 

でも、ドクダミ科は

モクレン類のコショウ目で、

コショウとは近い間柄。

へぇ~、何だか意外!

(参照:Wikipedia『ドクダミ科』

 

ちなみに、

コショウには総苞はなく、

細長く垂れ下がる

花穂だけなんですね。

 

下の図の中では、

白いヒゲのように

ヒョロンと伸びています。

 

図中の一番左下に、

花を拡大したものが描かれています。

(図引用:Wikimedia Commons "File:Piper nigrum drawing 1832.jpg" /パブリックドメイン)

(図引用:Wikimedia Commons “File:Piper nigrum drawing 1832.jpg” /パブリックドメイン)

 

「花」にも、

実に多種多様な形態が

あるんですよねぇ。

 

小さく密集して咲くと言う事は、

ターゲットにしている虫が

小さいと言う事でも

あるのでしょうね。

 

環境と、他者との関係性に応じて

自己の在り方を選択して行くのは、

どの種類の生き物にとっても

同じことなんですよね。

 

 

ドクダミは、

つぼみを守っていた葉を

総苞と言う形で大きく広げて、

目を惹くような十字形と純白へと

変化させて行くのですから、

 

半日陰が好きと言っても

決して控えめではなくて、

しっかり自己主張する

植物でもあるわけです。

 

それに加えて

花は花穂として

小さく密集させていますから、

守りも手堅い。

 

ふぅ~む。

いかに、生命力と共に

サバイバル力にも

長けているか、ですよねぇ。

ドクダミ

 

 

施術を通して

クライアントさん達の

身体を視ていると、

 

身体の「形態」と言うのは

その人の存在の在り方

そのものなのだなぁと

つくづく思います。

 

これはきっと、

植物でも動物でも

同じことだと思います。

 

決して科学的なアプローチでは

ありませんけれど、

 

姿かたち、「形態」から

受け取った印象と言うのは、

 

その存在の性質について

かなり正確な理解を

与えてくれると思うのです。

 

それに、印象は

直観的なものですから、

思っている以上に

正確で統合的な理解へ

導いてくれるのだと思います。

 

 

 

ドクダミの原産地は

日本を含めた東アジアで、

 

日本の書物の中では

平安時代から

ドクダミに関する記載が

あるそうです。

 

この頃には

蕺あるいは之布岐と書いて

シブキと呼ばれており、

 

現在のような

ドクダミという名称は、

江戸中~後期ごろからと

考えられている様です。

(参照:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1067471095

 

この名前の由来には

幾つか説がある様ですが、

 

一番信憑性がありそうだなと

個人的に感じたのは、

「毒矯み」説。

(参照:Wikipedia『ドクダミ』

 

矯めるとは

矯正するということで、

毒の効力を弱める

という意味になります。

 

生薬や漢方薬としては、

解毒はもちろんのこと、

整腸、利尿、緩下の作用を

発揮します。

(参照:http://www.yanagidou.co.jp/syouyaku-yakusou-jyuuyaku.html

 

これらは全て、体内から

排毒を促す作用なわけです。

(漢方では、魚腥草、

生薬としては十薬と呼ばれます。)

 

 

ちなみにドクダミの

学名はと言うと、

Houttuynia cordata。

 

Houttuynia は、

18世紀のオランダの

医師兼植物学者の名前だそうですが、

(参照:http://www.hana300.com/dokuda.html

 

cordataは、心臓型の、

という意味だそうです。

 

ドクダミの葉は、

まさしく心臓の形。

 

奇しくも

ドクダミに含まれている

化学成分の作用を見ると、

血管強化や血管の弾力性を

保つ効果があったり、

 

ドクダミ自体の効能としても、

動脈硬化の防止や

高血圧の予防などが挙げられ、

(参照:http://www.yanagidou.co.jp/syouyaku-yakusou-jyuuyaku.html

 

循環器系、つまり

心臓とはかなり

関連が深いのが分かります。

 

 

形態は、性質を現す。

 

いやむしろ、

性質が形態に

現れ出てくるのんじゃ

ないのかなぁ。

 

 

 

6月の営業予定

 

ではでは!

最後になりましたが、

営業日のお知らせです。

 

もうすぐの事なのですが、

6月は9日(木)~11日(土)の間

臨時でお休みなります。

 

実はですね、

山口県を訪れて参ります!(#^.^#)

 

今回は研修などではなくて、

自分のルーツを知る為の

純粋なる旅行です。

 

山口は、私の家系を構成する

土地の一つなんです。

 

とは言え、山陰地方に

足を踏み入れること自体、

まるっきり初めて。

 

きっと関東とは

流れている時間の速さや

空気の穏やかさなどが、

違うんじゃないかなぁ。

 

検索してみると、

高杉晋作ばっかり

出て来るんですけどね(^▽^;)

 

自分の身体の中に

どんな性質を持つ

エネルギーが流れているのか、

 

その一端を

感じ取って来れたら

良いなぁと思っています。

 

 

それ以外の日程については、

いつも通りの営業となります。

 

定休日:毎週水曜日・日曜日

営業時間:11時~20時

(最終の予約受付は、17時とさせて頂いております。)

 

臨時のお休みの分、

定休日でもご希望がありましたら

開院しようと考えています。

 

ご要望がある方は、

どうぞお声を掛けてみて下さいね!

 

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アジサイ、色の不思議。

7月も終わりに近づきました。

店主の実家の庭では花らしい花の姿はまばらになって、

緑が生い茂り始めています。

 

少し前の頃、と言っても1ヵ月は経つかなぁ。

アジサイがその盛りの時期を過ぎたころに、

実に美しい姿を見せてくれました。

 

玉あじさいー 2mini

 

ほら~!

繊細で絶妙なこの色合い!

ちょいとアップにすると…

 

玉あじさいー3-1

玉あじさいー4

はぁぁ~、見事な美しさじゃ~✨

 

それぞれ、青と紫一色だったアジサイが、

花の終わりの頃になるとこんな色合いに。

沢山の色彩が細かい斑のように入り混じって、

形容するのが難しい色合いです。

 

この変化はどうして起きるのか?

探してみたら、こんな面白い文章を発見しました。

 

『実は紫のアジサイを眺めていますと、1個1個の細胞ごとに色が違っていることがわかりました。
青、紫、赤と細胞はモザイク状になっています

つまり、アジサイの色が移り変わる現象は、
株が違うからとか、花が違うからというレベルでなく、1個1個の細胞毎に色が違っています

これはどうしてだろうか、どうやって研究したら解明できるだろうかと考えました。
アジサイは実は花でありません。見ている部分は装飾花でガク片です。

同じように細胞の切片を切りますと、2層目、表層から1層下に色のついた細胞が並んでいます。
もう一つ、1950年代からわかっていたことですが、
どんな色のアジサイにもデルフィニジン3-グルコシドという、
とても単純な構造のアントシアニンしか含まれていません。

たった1種類のアントシアニンで赤い色も青い色も紫色も出るということです 。』http://www.jspp.org/17hiroba/ippan/simin2005/01Yo_12.html

 

これは、日本植物生理学会(http://www.jspp.org/)の中にあった説明です。

このサイトは、一般の人からの植物に関する質問にもいろいろと答えてくれていて、

非常に参考になりますし、面白いですよ~!

 

それにしても、「一個一個の細胞がモザイク状に異なる色を帯びている」

と言うのには驚きました!

DSC_0002_23

でも上の写真を良く見ると、なるほど、

確かに言われてみればモザイク状ですね。

 

花が若いうちにはすべての細胞で色彩の歩調がそろっていたのが、

曲がり角を過ぎたのをきっかけに

それぞれの細胞が自分のペースで歩き出したのか。

 

そういえば、どことなくルノワールの絵の印象に近い様な。

ルノワール 1024px-Pierre-Auguste_Renoir,_Le_Moulin_de_la_Galette(ムーラン・ド・ラ・ギャレット/Wikimedia Commons)

 

人や風景の上を移ろう木漏れ日を表現して、

光が斑点のようになっています。

 

斑点という形態を取って

現れる「光」。

 

ルノワールたち印象派の影響を受けて

その後に活躍し始める新印象派では、

点描画が中心になって行きます。

アジサイの色の変化も、光との関係によって起きているのかも知れないですねぇ~ DSC_0002_18

 

 

 

 

 

紫陽花の季節

 

今年の6月は、とても雨が多かったですね~。
29年ぶりの雨量を記録したそうです。

 

6月と言えば紫陽花の季節。
玉のような形で咲く紫陽花の方が一般的にはなじみが深いでしょうか?

 

今日のneMu の花はガクアジサイ。
日本の紫陽花の原種は、ガクアジサイなのだそうです。

 

赤と青のガクアジサイに、
背丈の一番高い植物はパセリの花、
右の後ろの方にあるのはテイカカズラです。