「緊張」は、奥に隠されて層を成す

 

「緊張」とは何でしょうか?
そして、なぜ、どの様に
蓄積するのでしょうか?

膜や筋肉などの
組織に緊張が生じると、

そこには凝縮や圧縮や短縮化、
癒着や固着化が生じることで、
組織や器官の位置関係が
固定化されたりズレたりします。

 

身体の中に収まっている
組織や器官の位置関係が、
固定化されたり
ズレたりすると言うことは、

つまりは身体が内側から
歪みを抱えると言うことです。

そうです。
歪みは身体の外側だけでなく
内側にも同様に起きています。

neMu no ki の初期においては、
日常の中で様々な動きや姿勢を
スムーズに保って行えるよう、

身体がすでに抱えている
構造的な歪みや捻れを
その都度バランスさせようと
反応することで、

身体の緊張が蓄積していくものと
捉えていました。

 

身体は自らに蓄積した緊張や歪みを
細部まで記録して把握していますが、
それを自力で解放するすべを持ちません

一旦緊張や歪みが
自らの内に生じると、

身体は工夫を講じ、
全身のバランスを変化させて
カバーするしかありません。

 

緊張や歪みをカバーすることは、
緊張や歪みがなくなることとは違います。

 

カバーされた緊張や歪みは
どんどん身体の奥深くへ
仕舞い込まれて行きます。
そして、積み重なって行くことになります。

 

筋膜に緊張や歪みが
蓄積していく時には、

凝縮した膜が層になって
折り畳まれたり、
ぎゅっと固まって解けない
毛糸玉のようなしこりを
形成したりします。

折り畳まれて
奥の方に押し込まれた層は、
乾燥してちょうど
なめし皮の様に縮んで
小さくなります。

奥へ仕舞われても、
緊張や歪みは決して
その力を失うわけではなく、

表層を別な緊張に覆われることで、
表面的には力が相殺されて
一時的に力を潜めるだけです。

 

ですが、
疑似的に相殺されたり
奥へと蓄積した力でも、
それを解く方法は
身体自身がちゃんと知っています。

身体の知性にそれを問えば、
層状に積み重なった緊張や歪みも
きれいにほどけて行きます。